老人



354 名前:昔の漫画で見た話 投稿日:03/10/05 11:40
薄汚れた小さな町の通りを一人の少年が歩いていた。
「オラッ、どけよジジイ!」
少年は老人というものが大嫌いだった。さんざん年を取ってまで生きていてもしょうがないんだから
早く死ねと思っていた。
自分の祖父母でさえ金づるとしか思っていなかったのだから。
「あんな年まで生きてるくらいなら、俺だったら自殺するね・・・」
少年は金に困っていた。小遣いはゲーセンやマンガやカラオケにあっという間に消えていってしまい、
財布の中には数十円しか入っていない。
普段だったら下級生でも脅して調達するのだが、今日は学校も休みだ。

しょうがなくその辺をぷらぷらしていると、少年の目に小さな占い屋が飛び込んできた。

路地裏の小さな店だ。机の上に大きな水晶玉が置いてあり、老婆が座っている。
老婆が話し掛けてきた。「占いは一回千円だよ」




355 名前:昔の漫画で見た話 投稿日:03/10/05 11:50
そういうと老婆は箱を差し出した。お札が何枚か入っている。

少年は突然老婆を思い切り殴った。鈍い音がする。歯が折れたのかもしれない。
「な、なにを・・・」
少年はまた殴った。老婆が声をあげなくなるまでなぐった。
そして箱の中から札をとりだし、ポケットにねじこんでその場を去った。
背後で老婆が何か呟いている。
「の、呪ってやる・・・」

少年はその金を数日間であっという間に使った。ゲーセンでアーケードゲームを何回もやったり、
悪友を誘って遊びに行ったりして、結局家に帰ったのは12時を過ぎていた。
少年は思いがけない収入が入ったことを喜びながら眠りについた。罪悪感は勿論まるで無い。

一週間後、少年は鏡を見て声をあげた、
顔が老人になっている。
頭は禿げ上がり、目元にはしわが寄り、皮膚はたるんでいる。
「どうして・・・」
少年の脳裏に、あの老婆の言葉が浮かんだ。「呪ってやる・・・」

少年は老婆の下に走った。しかしどこを探しても、あの老婆の店は見当たらなかった。
「おい、あそこら辺にいた占い師のばあさんは何処へ言ったんだ!」
「ああ、あそこのおばあさんはねえ、確か5日前くらいに亡くなったよ。」
「何だって!」



356 名前:昔の漫画で見た話 投稿日:03/10/05 11:55
老人の姿の少年は走った。人を駆け抜けて走った。心なしか前よりも足が遅くなっているような気がする。

青信号が点滅している。今だったら渡りきれるはずだ、そう思って少年は走った
少年は気付いていなかった。姿かたちだけが老人になっただけでなく、体力も老人なみに落ちていることを。

赤信号の横断歩道に、トラックが突っ込んでくる・・・
一瞬、老人の姿の少年の脳裏に、自分の言葉がよみがえった。
「あんな年まで生きてるくらいなら、俺だったら自殺するね・・・」

薄汚れた小さな町の小さな病院に、一人の老人が入院している。

「うう、信じてくれ・・俺は本当はまだ17才なんだ・・・信じてくれ・・・」

「はいはい、わかってますよおじいちゃん。」


357 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/10/05 12:09
>>356
最後の二行で老人の幻想だったかのように思われる。

358 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/10/05 12:18
アウターゾーンか。なんでまた今ごろ。
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2017-10-01 17:09 : 怖い話 : コメント : 0 :
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